たむむら

飲食店のクレームの上手な対応方法!よく起こるクレーム3選

 

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 どのようなお店でも起こるクレーム

 

クレームが発生したとき

わっ!クレームだ、関わりたくない

お客様に怒られるのがこわい…

と感じてしまう方も多いのではないでしょうか?

 

 

「クレーム」と聞くと、ネガティブなイメージを持ってしまいがちですが、クレームはお客様からの貴重な意見です。

 

 

ひとつひとつ誠心誠意に向き合うことで、お店の改善点を見出したり、サービス向上に繋がることもあります。

 

 

 

どうもこんにちは。

 

今回は、クレーム対応をする際のポイントや対応の流れ、飲食店でよくあるクレーム対応例についてお話していきたいと思います。

 

 

対応のポイントや流れを覚えてしまえば、クレーム対応なんて怖くない!

 

 

クレーム対応のポイントって?

 

クレームが起こるということは、お客様は何かに対して怒っている=感情が高ぶっている状態といえます。

 

 

クレーム対応のポイントはお客様の怒りを鎮めることです。

 

そのためにはまず、お客様の怒りのポイントを理解するためにしっかりとヒヤリングすることが大切。

 

 

話を聞く際のポイントは大きく分けて4つ

 

 
1、迅速な対応
2、表情・姿勢
3、相槌を打つ
4、必要に応じてメモを取る

 

1、迅速な対応

クレーム対応中は、お客様をお待たせしないようにしましょう。

 

 

クレームはいきなり発生するわけではありません。

 

しばらく我慢していたお客様が、更なる不満を持ったときに、初めて「クレーム」を発するのです。

 

それなのに対応が遅かったり、他のお客様を優先してしまうとお客様の怒りは更に大きくなってしまいます。

 

◎現場に直行
◎即時対応
◎第一印象

 

最初の3分が勝負どころです。

 

2、表情・姿勢

ヘラヘラ笑ったりするのは完全にアウト。

 

無表情でいたり、キョロキョロ・オドオドした視線も「この人に話しても分かってもらえない」と不信感を与えてしまいます。

 

 

相手が椅子に座っている状態なら、姿勢を低くして相手の目線に合わせた高さになることも大切です。

 

 

決して何かに寄りかかったり、足を組んだりせず「誠心誠意対応する」という態度を崩さないでください。

 

◎相手の顔を見て、誠意や謝罪を伝える神妙な表情
◎姿勢を伸ばして、後ろで手を組まない
 
 

3、相槌を打つ

適度な相槌を打つことでお客様は「話を聞いてもらえている」という気持ちになります。

 

 

しかし、ただはい、はいと聞いているだけだと、「はいって返事をしておけばいいと思っているのか?」と思ってしまう人もいます。

 

 

相槌を打つときは、うなずく動作もいれながら対応することがポイントです。

 

◎「はい」「仰る通りです」
◎言葉とうなずく動作をうまく使い分ける
 
 

4、必要に応じてメモを取る

対面でのクレームの場合は必ずやったほうがいいというわけではありませんが、

メモをしておくことで責任者に取り次ぎをしやすくなったり、後で確認する際に非常に便利です。

 

 

電話でのクレームの場合は必ずメモを取るようにしましょう。

 

◎メモを取る場合は失礼がないよう、必要に応じて相手に許可を取る
 
 

具体的なクレーム対応の流れ

 

クレーム対応の基本的な流れは、すべてのケースで共通しています。

 

1、相手の心情を理解・お詫び

相手の立場に立って、丁寧に心から謝罪します。

「ご不便をお掛け致しました。大変申し訳ございません。」

 

2、原因・事実確認

お客様の話をよく聞き、復唱します。

「○○だったのですね。」

 

3、代替案・解決策の提示

お客様の要望に対しての代替案、解決策を提案し、お客様にとって何が得策か選択してもらいます。

「〇〇でしたらすぐにご対応できますが、いかがでしょうか?」

 

4、再度お詫び・感謝

再度謝罪し、ご意見を頂けたことに感謝しましょう。

「この度はご不便をお掛け致しました。重ねてお詫び申し上げます。また、本日は貴重なご意見を有難うございました。」

 

飲食店でよく起こるクレーム例3選

ではここからは、飲食店ではどんなクレームが起こるのかお話ししていきます

1、衣服汚損

スタッフの不注意などによって、料理やドリンクでお客様の服や持ち物を汚してしまった…ということは飲食店では多いです。

 

 

衣服汚損が起きてしまった場合のゴールは「原状回復」

 

衣服汚損の原状回復は、汚れたお召し物をもとに戻すことです。

 

 

まずは謝罪して、火傷の確認をしましょう。

もし、コーヒーやスープなど熱いものをこぼしてしまった場合は、火傷をしている可能性もあるので、必ず声をかけて確認してください。

  

②謝罪したら、染み抜きをします。

「染み抜きをさせていただきたいので、一度お預かりしてもよろしいでしょうか?」と許可を取って汚れてしまったものを預かってください。

 

 

ズボンなど預かれないものは、お客様の許可を取ってその場で拭きます。

 

 
【染み抜きに必要なもの】
 温度が熱いもの
 →水と綺麗なふきん
 温度が熱くないもの
 →染み抜きやソーダ

 

この時はまずは謝罪のみ。

 

「弁償します」「クリーニングに出します」など余計なことは言わないようにしてください。

 

③状況を見てお客様に提案

ここからはしみが残ってしまっているかどうかで対応が変わってきます。

明らかにしみが残っている場合

「会社として責任をもって対応させていただきます。」とお客様に伝え、まずは安心してもらいます。

 

それからクリーニング対応を提案しましょう。

 

乾かないと分からない場合

お客様に時間がある場合は、乾くまで様子を見てもらいます。

 

しみになっている場合は先ほどと同じくクリーニング対応をしましょう。

 

 

もし、しみになっておらず、お客様も気にしていない様子だったら責任者の名刺を渡し、

「気になるようでしたらご遠慮なくご連絡ください」とお伝えして再度謝罪しましょう。

 

汚れがひどく、そのままでは帰れない場合

お時間があるか確認し、近くで代わりの物を購入しましょう。

 

その際の汚れてしまったお召し物はできればお預かりし、クリーニング対応します。

 

 

2、異物混入

飲食店ならではのクレームが異物混入によるもの。

 

 

もしも注文した料理や飲み物に、髪の毛や虫が入っているのを見つけたら…

 

言うまでもなくお客様は風解な気持ちになりますよね。

 

 

特に髪の毛や虫などの異物は、混在経路をコントロールできないため、完全にゼロにすることは難しいもの。

 

 

異物混入が起きてしまった場合のポイントは、

お店の不備で起こってしまった異物混入というマイナスを、「また来たい」とお客様に思ってもらえるようにどう巻き返すか。

 

 

 ①まずは謝罪をして、けががないか確認しましょう。

 異物混入の中には、お皿の欠片やコップの破片などの固く口の中を切ってしまうものもあるので、

 お怪我はございませんでしょうか?」と相手を気遣う言葉をかけましょう。

 

②異物が何なのか確認して、お客様に正直にお伝えします。

 特に口に入れてしまった場合は、何を口にしてしまったのか不安な状態です。

 

実物がある場合は、事実確認はしっかりとやりましょう。

 

 

確認したからといって、異物をすぐに捨てるのはNGです。

 

異物混入の証拠になるので、お客様が帰るまでは必ず取っておいてください。

  

お客様の誤解による異物混入のクレーム

異物混入のクレームには、お店側の不備ではなくお客様の誤解・勘違いによって発生するものもあります。

 

 

例えば、調理の過程で変色した食品を異物であるとお客様が誤解されるケース。

 

この場合、調理の過程で食品が変色するのは通常であり、異物ではないこと、健康に影響が出ないことを丁寧に説明しましょう。

  

③お客様への提案。ここがマイナスをプラスに変えていくチャンス!

 もしお店側の不備による異物混入の場合は、どう巻き返していくかが重要です。

 

 

まず、新しく作り直しをさせていただいてもいいか、お客様に伺います。

 

了承を得たらスタッフ全員に共有し、最優先で作り直しましょう。

 

 

作り直しだけではなく、食後にサービスすることでお客様は「ちゃんと気にかけてもらえている」という気持ちになります。

 

 

もし「もう結構です」と作り直しを断られた場合、

・食欲がなくなった可能性
・お腹いっぱいになっている可能性
・同じ商品は食べたくない可能性

 

この3つの可能性が挙げられます。

 

この場合は、ヒヤリングやお客様の様子を見て次の対応を考えます。

 

食欲がなくなった、同じ商品は食べたくない

この場合の提案のひとつは、別の商品をサービスで出すことです。

 

 かといって何を出していいわけではありません。お客様の喜ぶものでなければ意味がないのです。

 

一番いい方法は、お客様に直接聞く方法です。

 

 

「もしなにか他に気になる商品がございましたらすぐにお作りさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」

 

このように聞くと喜んでくれるお客様は多いです。

 

 

どうしようかな…と迷っている方がいたら、

 

お店の一押し商品をおすすめしたり、そのお客様の注文履歴を見てどんな料理・食材が好きな人なのかを把握したうえで提案するとGOOD

 

お腹いっぱいになっている

もしお客様が席でゆっくりしている場合は、食後のちょっとしたデザートやドリンクをサービスすると喜ばれます。

 

 

「お腹がいっぱいなのでもういいです。」と言われてすぐに席を立たれる場合、

 

名刺やショップカードに手書きで「次回来店時にドリンクいっぱいサービス!」という文字を記載してお渡しするなど、

次回の来店に少しでも繋げるためのアクションを起こしましょう

 

 

「次回来てくださったときはお客様に感動していただけるようなおもてなしをさせて頂きたいので、また是非ご来店をお待ちしております。」

 という言葉と一緒にお渡しするなど、

 

最後まで誠心誠意向き合うことで、お客様は嫌な気持ちはしません。

 

 

3、体調不良

「店で食事をしたらお腹が痛くなった」という内容のクレーム。

 

このほとんどが食中毒を疑うもので、電話でのクレームが多いです。

 

電話越しだと顔が見えないため、クレーム対応の際は特に話し方などに注意しましょう。

 

 

①まずは体調を気遣う言葉をかけましょう。

 体調が悪いことに関して謝るのは、絶対にNGです

 

クレームの電話で咄嗟に謝罪してしまいそうになるかもしれませんが、謝ってしまうことで、お客様の体調不良の原因がお店にあると認めていることになってしまいます。

 

 

ただ、お客様も不安な状態なので、

「お客様の気持ちを不安にさせてしまったことに対して申し訳ない」

という気持ちへの謝罪と、しっかりと対応させていただく旨を伝えましょう。

 

「体調はいかがでしょうか。ご心配をおかけして申し訳ございません。
 病院で検査していただいて要因がわかれば対応させていただきます。
 会社として最後まで責任をもって対応させていただきますので、まずはご安心ください。」

 

②事実確認をするために、お客様にいくつか質問していきます。

 

 
・お客様のお名前
・連絡先
・お店を利用した日時、人数
・食べたもの、レシート
・病院を受診したか
 

 

〇病院を受診した場合

  • 診断書は持っているか
  • 症状は何か言われているか

 

 

〇病院に行っていない場合

  • 「一度病院に行って診断を仰いでください」と伝える

 

 

③確認して折り返し連絡する旨を伝え、一度電話を切って会社の指示を仰ぎます。
「現在のところ他のお客様から同様の問い合わせをいただいていないので、確認する時間をいただけますか。
 なるべく早くご連絡差し上げますので、一度お電話切らせていただきます。」

 

 

「そんなの待てない、この電話で対応してほしい」

「食事した分の金額を返金してほしい」

「病院の代金は払ってくれるのか」

 

このように言われた場合は、

 

「大変恐れ入りますが、事実確認が出来るまでは回答いたしかねます。
 まずは事実確認をさせて頂いて、弊社に不備がございましたら会社として責任をもって対応いたします。

 

この一点張りでOKです。

 

 

どうしても今すぐに対応してほしい!

というお客様だったら、詐欺の可能性もあるので十分に注意しましょう。

 

 

④電話を切った後、確認作業を行います。

体調不良によるクレームがあった際に、お店で確認することは3つ。

 

・該当のお客様の伝票を確認し、食べたものをすべて確認する
・該当日に同じものを食べたお客様からの問い合わせがないか確認する
・お客様がご飲食された商品の在庫がないか確認する

 

もしお客様がご飲食された商品の在庫がある場合は、

①期限内のものか ②味見し傷んでないか

この2つを確認しましょう。

 

確認して問題がない場合

お客様がご飲食された商品と、他のお客様から同じような問い合わせがないか確認して

問題がない場合は

  • 食材は賞味期限内で、正しく管理されたものであること
  • お客様がお召し上がりになったものと同じ商品を食べたお客様から、同様の問い合わせがないこと

この2つをお伝えし、

 

「同様の問い合わせがあった場合には、再度こちらからお電話させていただきます。お大事になさってください。」

と伝えて電話を切りましょう。

 

問題があった場合

もし確認をして、使用していた食材が賞味期限切れなど商品に問題があった場合や、

「お店を利用したら体調が悪くなった」などという同様の問い合わせがあった場合は

お店側に問題がある可能性が高いです。

 

この際は自己判断ですぐにお客様に連絡はせず、会社の指示を仰ぎます。

 

最後まで責任をもって対応していきましょう。

 

 

 

 クレームはお客様をお店のファンにするチャンス

 

クレームが起きないために

日々努力、改善していくことももちろん大切です。

 

 

しかし、クレームはどこのお店でも起こってしまいます。

 

信頼できるお店かどうかは、起こってしまったときにきちんと対応できるかどうかなのです。

 

 

クレーム対応はこわくて嫌だなと思う人も多いですが、クレームはお店や自分自身のファンになっていただく最大のチャンスです。

 

 

あなたのチャンスを逃さないためにも、今回のお話が参考になると嬉しいです。