たむむら

飲食店で異物混入が起きてしまった時のクレーム対応方法!

 

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平成28年度に東京都の保険所等へ報告された、食品衛生に関する苦情処理件数は4,949件です。
その苦情の内、61.5%が飲食店で発生しており、「異物混入」は925件にも及ぶそうです。

東京都福祉保健局の平成28年度「食品衛生関係苦情処理集計表」

 

 

飲食店で働いていると、いつ起こってもおかしくない異物混入のクレーム。

 

異物混入が発覚すると、お客様にとっては必ず不愉快な気分になりますし、
店側も致命的な印象悪化を招くリスクがあります。

 

 

もし、あなたのお店で異物混入のクレームが発生した時、

あなたは間違いなく対処できますか?

 

 

 

どうもこんにちは。


今回は、異物混入が起きてしまった時の上手な対応方法についてお話していきます。

 

 

 

異物混入のクレームが起きてしまう原因

 


異物混入のクレームが起きてしまう原因として

・スタッフが髪の毛をまとめていない、制服が汚れている
 ⇒髪の毛、糸くず、埃
・作業道具やお皿の劣化、使い方や洗い方が雑
 ⇒作業道具やお皿の破片
・作業工程で気づかない
 ⇒サランラップ
・排水溝や設備の掃除が不十分
 ⇒虫

 

このようなものが挙げられます。

 

 

普段から異物混入が起こらないために対策するのは当たり前ですが、

特に髪の毛や虫などの異物は、混在経路をコントロールできないため、完全にゼロにすることは難しいもの。

 

 

大切なのは、異物混入が起きてしまった時にしっかりと対応できるかどうかです。

 

 

異物混入が起きてしまった時のクレーム対応方法

 

異物混入が起きてしまった時の対応は、原因やお客様のお怒り具合で変わってきますが、

クレーム対応後のゴールは、お客様に「また来たい!」と思ってもらうことです。

 


「この料理にサランラップが入ってたよ。気を付けてね。」

と優しく言われた場合でも、お客様もそんなに怒ってなさそうだからいいや!と思ってしまうのはNGです。

 

 

異物混入が起きたら、クレームでご迷惑をおかけしたすべての方にしっかりと対応し、信頼を取り戻していきましょう。

 

 

 

まずは丁寧に謝罪


まずは、異物混入によってお客様の気持ちを不快にさせてしまったことに対して丁寧に謝罪します。

 


異物混入の中には、お皿の欠片やコップの破片などの固く口の中を切ってしまうものもあるので、
「お怪我はございませんでしょうか?」と相手を気遣う言葉をかけましょう。

 

 

原因・事実を確認

 

「確認してまいりますので少々お待ちいただけますでしょうか?」とお客様に声をかけ、異物が入っているお皿やグラスを一度下げて事実確認を行います。


現物を確認する際は必ず責任者やスタッフに情報共有し、作った本人と一緒に確認するのが良いでしょう。

 


この時、異物をすぐに捨てるのはNGです。
異物混入の証拠になるので、お客様が帰るまでは必ず取っておいてください。

 

 

確認ができたらお客様に
異物が何だったのかどういう経緯で混入してしまったのか
しっかりと事実をお伝えします。

 

 

もし、異物が食べられないものかつお店の不備で混入してしまったなら、再度心から謝罪をしましょう。

 

 

 

お客様に代替案・解決策を提示

 

該当の料理を食べ始める前や、食べ始めたばかりでまだ半分以上料理が残っているなどといった、まだ料理を全然食べていない場合。

 

この場合は、同じ商品を作り直すという提案がまずひとつ。

 

「お作り直しさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」とお客様に確認し、了承を得たら最優先で作り直しましょう。

 

 

もし「もう結構です」と作り直しを断られた場合

 

・同じ商品を食べたくない可能性
・お腹がいっぱいになっている可能性
・食欲がなくなった可能性

 

この3つの可能性が挙げられます。

 

この場合は、ヒヤリングやお客様の様子を見て次の対応を考えます。

 

 

同じ商品を食べたくない

別の商品をサービスで提供します。


これは、商品をほとんど食べてしまった場合もできる提案です。

 

 

かといって何を出していいわけではありません。

お客様の喜ぶものでなければ意味がないのです。

 

 

一番いい方法は、お客様に直接聞く方法です。

 

 

「もしお腹がいっぱいでなければ、他の商品をサービスさせていただきたいのですが…」


「もしなにか他に気になる商品がございましたらすぐにお作りさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」

 

 

このように聞くと喜んでくれるお客様は多いです。

 

 

どうしようかな…と迷っている方がいたら、

お店の一押し商品をおすすめしたり、そのお客様の注文履歴を見てどんな料理・食材が好きな人なのかを把握したうえで提案するとGOOD。


相手の好みやお腹の減り具合を考慮して提案しましょう。

 

 

お腹がいっぱい

「お腹がいっぱい」といっているのに、料理を作り直したり、他の商品をサービスするのは逆効果です。

 

 

もしお客様が席でゆっくりしている場合は、食後のちょっとしたデザートやドリンクをサービスすると喜ばれます。

 

 

食欲がなくなった

食欲がなくなってしまった場合は、自分の料理に異物が入っていたことがトラウマになってしまっている状態です。

 

なのでこの場合も、料理の作り直しや他の商品のサービスするのはNG。

 

 

対応方法は、お腹がいっぱいの時と同じ対応をするのが最善です。

 

 

 

次回の来店に繋げる「アフターサービス」


商品を作り直した、他の商品をサービスしたからこれで終わり!というわけではありません。


お客様が帰られるまでが巻き返しをするチャンスです。

 


そのチャンスのひとつがアフターサービス。

 

 

アフターサービスをすることで、「あ、ちゃんと気にかけてくれているんだ。」とお客様は嬉しい気持ちになるので、必ず行いましょう。

 

 

食後に席でゆっくりされているお客様に、
「せっかく来ていただいたのに、ご迷惑をおかけしてしまったので」と食後のドリンクやちょっとしたデザートをサービスする。

 

すぐに席を立たれるお客様に、
「次回来てくださったときはお客様に感動していただけるようなおもてなしをさせて頂きたいので、また是非ご来店をお待ちしております。」という言葉と一緒に、次回使えるサービス券をお渡しする。

 

など、次回の来店に少しでも繋げるためのアクションを起こしましょう。

 

 

お見送りも責任者と対応したスタッフが丁寧にすることで、「丁重に扱われた」という印象を残しやすいです。

 

 

 

お客様がけがをしてしまった場合


異物混入によってお客様が口に中を切ってしまっていた場合、まずやるべきことは止血です。


水を入れたコップときれいなおしぼりを渡して、お手洗いやうがいができる場所にご案内し、口の中をゆすいでもらって止血します。

 

 

もし出血が止まらない場合は、施設の医務室へご案内し、必要であれば病院へ責任者が付き添います。

 

 

その次に行うことは、なぜ出血したのか現物はあるかの確認です。

 

 

現物がある場合


現物は異物混入の証拠になるので必ず取っておきましょう。

 

 

止血が終わったら、口を切ってしまったものが何なのかお客様に正直に説明し、お店の不備による怪我の場合は、丁寧に謝罪します。

 

 

この際に必ずお客様のお名前と連絡先をお伺いし、「会社として責任をもってご対応させていただきます。」と伝え、少しでも安心してもらいましょう。

 

お帰りの際も、怪我の具合の確認と謝罪をするのは忘れずに。

 

 

そして、これで終わりではありません。

 

翌日にお客様に「体調はいかがでしょうか。」とご連絡をし、病院に行かれた場合は、お店が病院代を負担します。

 

「お店で病院代をお支払いさせていただきます。診断書をお持ちでしたら取りに伺いたいので、ご住所を教えていただけますでしょうか。」

 

 

「住所を教えるのはちょっと…」という方は、どこかの駅で待ち合わせをするのが良いですね。

 

 

後日、約束した日時に責任者、マネージャーがお金が入った封筒と菓子折りを持って謝罪しに伺う、という流れになります。

 

 

現物がない場合


お客様が現物を飲み込んでしまった場合や、原因不明だけど血が出ていると言われた場合も、
お店の不備で起こってしまった怪我なのかどうか確認する必要があります。

 

 

まずはしっかりと事実確認し、会社として責任を持って対応する旨をお伝えし、お名前、連絡先も忘れずに伺いましょう。

 

 

事実確認といっても、現物がないためお店ですぐには確認できないので
後日、お客様と一緒に病院に行って、要因を確認します。

 

 

お店に不備があった場合は、先ほどと同様に病院代はお店側が負担し、後日菓子折りを持って謝罪しに行きましょう。

 

 

事実確認をしないでお金のやり取りはNG


お店が病院代や治療費を負担するのは
・お店の不備で怪我をしてしまった
・病院の診断書を持っている
この2つの条件がそろっている場合のみです。

 

 

「お店の不備で怪我をして病院に行ったけど、診断書がない」といった病院に行った証拠がない場合や、


「病院に行ったけど、怪我をしたのはお店のせいじゃなかった」といったお店の不備で起きたものではない場合は、


お店が病院代や治療費を支払う必要がありません

 

 

お客様の誤解によるクレーム


異物混入の中には、お店の不備ではなくお客様の誤解・勘違いによって発生してしまうものもあります。

 

 

例えば、調理の過程で変色した食品を異物であるとお客様が誤解されるケース。


この場合、調理の過程で食品が変色するのは通常であり、異物ではないこと、健康に影響が出ないことを丁寧に説明しましょう。

 

 

ここでのポイントは、説明が終わったら
「お待ちいただいている間に料理が冷めてしまったかもしれないので、もしよろしければ温めなおしてまいりますがいかがですか?」
と提案すること。

 

このように提案することで
「自分の勘違いだったのに、こんなに丁寧に対応してくれるんだ。」とお客様は嬉しい気持ちになります。

 

 

まとめ

 

異物混入のクレームが起きてしまったときは、

お客様の気持ちに寄り添って誠心誠意対応することが一番大切です。

 

 

クレーム対応をするのはこわいしとても勇気がいりますが、経験を重ねて自分の引き出しを増やすことで

お店のスタッフやお客様から厚い信頼を受けることができます。

 

ぜひ今日のお話を参考にして、

信頼できる安心するお店作りを目指していきましょう。